資本金1円でも会社は設立できる|少額で始める場合の注意点
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会社を設立するとき、気になることの一つが「資本金をいくらにするか」です。
資本金は多ければよいというものではなく、事業内容や開業時に必要な費用、今後の資金繰りなどを考えながら決める必要があります。
現在は、株式会社や合同会社を設立する際に最低限必要な資本金の額が定められていないため、制度上は資本金1円から会社を設立することもできます。
とはいえ、実際に1円だけを用意して事業を始めるケースばかりではありません。重要なのは、少額の資本金でも会社を設立できることを知ったうえで、自分の事業に合った金額を考えることです。
◆資本金は少額でも会社を設立できる
会社を設立する際、以前はある程度まとまった資本金が必要というイメージがありました。しかし現在は、株式会社・合同会社ともに資本金の最低額は定められていません。そのため、資本金を1円などの少額に設定して会社を設立することも可能です。
これは、起業時に多額の資金を用意することが難しい人にとって、会社設立の選択肢を広げる仕組みといえます。
ただし、「少額で会社を設立できること」と「少ないお金だけで事業を運営できること」は別の話です。会社を設立した後には、事業を続けるためのさまざまな費用が発生します。
◆資本金は会社のスタート資金になる
資本金とは、会社を設立するときに出資者から払い込まれるお金です。
会社設立後は、パソコンや業務用ソフト、広告費、通信費、外注費、仕事場の利用料など、事業のために使用することができます。そのため、資本金を少額に設定すると、会社設立時の出資額を抑えられる一方で、会社がスタート時点で使える資金も少なくなります。特に、売上が入るまでに時間がかかる事業の場合は注意が必要です。
「会社を設立するために必要な金額」と「事業を始めてから必要になる金額」を分けて考えることがポイントです。
◆少額の資本金で始めるメリット
少額の資本金で会社を設立することには、いくつかのメリットがあります。
手元に資金を残しやすい
資本金として会社に入れる金額を抑えれば、個人側に一定の資金を残しておくことができます。起業直後は、事業の売上が安定しないこともあります。生活費なども含めて資金計画を考える必要がある場合には、会社に入れる資金と手元に残す資金のバランスを考えることが大切です。
小さく事業を始めやすい
大きな設備や仕入れが必要ない事業であれば、比較的少ない資金からスタートできる場合があります。
例えば、コンサルティング、Web制作、デザイン、オンラインサービスなど、事業内容によっては大規模な設備投資を必要としないケースもあります。このような事業では、必要な費用を整理したうえで、無理のない範囲で資本金を設定するという考え方もできます。
事業規模に合わせて考えられる
会社を設立した時点で大きな事業規模を目指すとは限りません。
まずは一人で事業を始め、売上や顧客を増やしながら事業を成長させる場合もあります。この場合も、事業のスタートに必要な資金をもとに資本金を考えることができます。
◆少額にすればよいとは限らない
一方で、資本金は少なければ少ないほどよいというものでもありません。
例えば、事務所を借りる、商品を仕入れる、設備を購入する、従業員を雇用するといった事業では、開業時からまとまった資金が必要になる場合があります。また、売上が入金されるまでに時間がかかる場合には、その間の運転資金も必要です。
資本金を決める際には、次のような費用を整理してみましょう。
- 会社設立にかかる費用
- パソコンや設備などの購入費
- 事務所や仕事場の利用料
- Webサイトや広告などの費用
- 商品の仕入れや外注費
- 開業後の数か月分の運転資金
必要な資金を整理したうえで、どの程度を会社の資本金として用意するかを考えることが大切です。
◆会社の住所など、固定費も考えておく
会社を設立すると、資本金以外にも継続的に発生する費用があります。特に、事業を行う場所をどうするかは、起業後の固定費にも関わるポイントです。
例えば、専用の賃貸オフィスを借りる場合、賃料だけでなく、敷金・礼金などの初期費用や、デスク・椅子などの備品をそろえる費用が必要になることがあります。少額の資金で事業を始めたい場合には、こうした初期負担が大きくなりすぎないように考えることも大切です。
◆オフィス初期コストを抑える選択肢
初期費用をどう抑えるか考えた時、選択肢の一つになるのが、レンタルオフィスやコワーキングスペースの活用です。
レンタルオフィスには、仕事をするためのデスクや個室などが用意されているため、自分でオフィスを一から準備する必要がありません。施設によっては、法人登記に利用できる住所や郵便物の受け取り、受付対応などのサービスが用意されている場合もあります。
また、普段は自宅やコワーキングスペースで仕事をし、取引先との打ち合わせがあるときだけ会議室を利用するなど、必要なサービスだけを組み合わせる方法もあります。
このように、起業直後から大きなオフィスを構えるのではなく、事業の規模や働き方に合わせて仕事環境を整えることで、初期費用や毎月の固定費を抑えながら事業を始めるという考え方もできます。
ただし、利用料金や法人登記の可否、住所利用の条件、会議室などの設備は施設によって異なります。レンタルオフィスを利用する場合は、月額料金だけでなく、どこまでのサービスが料金に含まれているのかも確認しておきましょう。
◆少額で始めるなら資金計画が重要
資本金1円から会社を設立できるという制度は、会社設立を考える人にとって知っておきたいポイントです。
ただし、実際に重要なのは「1円で設立すること」ではありません。
少額の資本金で始める場合でも、会社設立後に必要となる費用や運転資金、毎月の固定費などはあらかじめ考えておくことが大切です。
仕事をする場所ひとつとっても、専用オフィスだけでなく、自宅やコワーキングスペース、レンタルオフィスなど、事業の内容や働き方に合わせた選択肢があります。
まずは事業を始めるために必要な費用を洗い出し、資本金だけでなく、設立後の運転資金や仕事場にかかる費用まで含めて考えてみましょう。 少ない資金からスタートする場合こそ、資本金の金額だけでなく、事業を継続するために必要な費用全体を見ながら計画することが大切です。