レンタルオフィス事情と起業支援制度まとめ【渋谷編】

folder選び方・比較

はじめに

渋谷はかつて若者文化とサブカルチャーの発信地として知られてきましたが、近年では スタートアップ・起業の拠点 としても注目を集めています。

交通アクセスの良さ、IT・クリエイティブ人材の集積、そして自治体や民間による支援制度の充実……こうした要素が重なり、渋谷を舞台に起業を志す人が増えています。

本記事では、渋谷地域におけるレンタルオフィス・コワーキングスペースの実態起業支援制度・補助金・認定制度などの制度面 を整理し、読者が渋谷での起業を具体的に検討するうえでの判断材料を提供します。

1. 渋谷のレンタルオフィス・シェアオフィス事情

渋谷エリアには、レンタルオフィスやシェアオフィスが多様な形式で点在しており、個人利用、小規模法人、来客重視型など 事業形態に合わせた選択肢 が揃っています。レンタルオフィス比較サイトや紹介媒体によれば、渋谷の個室レンタルオフィスは月額4万円台から始まるものもあり、ハイグレードなものでは10万円台を超えるものもあります。また、渋谷駅直近でコワーキング・レンタルオフィスを運営する拠点が複数紹介されています。渋谷のレンタルオフィス・シェアオフィス空間には以下のような特徴があります。

  • 契約の柔軟性:月契約、時間貸し、登記可/不可、複数拠点利用可能など、多様なプランが提供されている
  • 複合型施設:完全個室だけでなく、コワーキングスペース、ブース席、ラウンジ利用、バーチャルオフィス併設の施設も多い
  • 設備充実:会議室、受付サービス、複合機、Wi-Fi、ロッカー、ドリンクサービスなどが標準またはオプションで付帯
  • 立地・視認性:渋谷駅近接の好立地物件が人気。駅徒歩数分圏内で賃料が高くなる傾向

主な拠点例

いくつか代表例を挙げて、特徴と利用スタイルを見てみましょう。

施設名特長・立地契約形態・設備備考
クロスオフィス渋谷渋谷駅徒歩2分、完全個室+コワーキング併設24時間利用可、法人登記可、レセプション・会議室など設備充実利用人数1~20名規模対応
THE HUB渋谷駅近・複合型レンタルオフィス・コワーキング・バーチャルオフィス選択可月額12,100円(コワーキング)などの利用例あり
渋谷宮益坂アントレサロン複数拠点を自由に使用できるレンタルオフィス・コワーキング・バーチャルオフィス選択可初期費用0円で、首都圏(東京、神奈川、埼玉県)を中心に提供
ビジネスエアポート渋谷南平台渋谷駅徒歩6分、神泉駅徒歩4分個室・半個室、共用ラウンジ利用可東急不動産グループ運営で上質感を売りに
H¹O(エイチワンオー)渋谷三丁目最新設備・IoT導入型小規模オフィス~複数名対応生体認証・スマートセキュリティ導入
リージャス渋谷マークシティブランド力あるビル内レンタルオフィス・コワーキング・バーチャルオフィス選択可法人利用者。月額・保証金・共益費などを見積もる必要あり。見積もり問い合わせが必要

選定時のチェックポイント

レンタルオフィスを選ぶ際には、以下の観点を重視すべきです:

  1. 契約の柔軟性
     中途解約の可否、最低契約期間、保証金・敷金の取り扱い、契約更新条件などを確認。
  2. 登記・法人利用可否
     会社設立後すぐに使う場合、法人登記可であることが必須となるケースが多い。
  3. 来客対応可能性・受付サービス
     受付が有人であるか、来客用ラウンジの質、会議室等の貸出体制の有無。
  4. 通信・設備の信頼性
     安定したインターネット環境、複合機・電話ブース・Wi-Fi設備などの充実性。
  5. 拡張性・スケールアップ余地
     将来的な人数拡大を見据え、同じビル内で部屋を移すオプションや系列拠点との連携可能性など。
  6. 所在地・ブランディング効果
     「渋谷住所」という付加価値を取引先や顧客に与えるインパクトも無視できません。

2. 渋谷で利用できる主な起業支援制度

レンタルオフィスと並行して、制度面でのサポートを知っておくことは、起業成功の鍵を握ります。

税や融資、補助金での優遇

会社を設立する際にかかる税金が負担だったり、お金を借りるための条件が厳しかったりすることで、スムーズに起業の準備が進められず、事業を始めにくくなってしまうことは少なくありません。そういった状況を解消する制度があります。

創業支援等事業計画

登録免許税の軽減株式会社設立時の登録免許税が半額(15万円 → 7.5万円)
融資の信用保証が拡充融資申請の際、創業6ヶ月前から信用保証の対象に(通常は2ヶ月前)
公的融資の金利が優遇日本政策金融公庫や市制度融資で低金利融資が可能
市の融資制度で優遇措置利率0.2%引下げ信用保証料0.1%軽減など(※2024年10月以降)
補助金申請の枠が広がる小規模事業者持続化補助金で創業枠申請が可能・最大200万円支給
URLhttps://www.city.shibuya.tokyo.jp/jigyosha/shoko-rodo-sodan/sogyo-shien/sogyoshien_shomei.html

渋谷区は「創業支援等事業計画」が国の認定を受けており、該当の支援を受けた創業者には 証明書交付 が可能です。この証明書を用いると、会社設立時に「登録免許税の軽減」や「創業関連保証枠の拡大」などの優遇措置を得られます。

この証明書を得るには、定められた創業セミナーを全日程欠席・早退なく参加することなど、出席条件が定められています。

ご利用の流れ(4ステップ)】

  1. セミナー参加(1か月以上/計4回以上の相談や講座に出席)
  2. 証明書の申請(受講修了後、自治体に郵送またはメールで提出)
  3. 証明書の取得(発行まで約1〜2週間)
  4. 優遇措置の利用(登記や融資手続き時に証明書を提示)

補助金・助成金

資金調達の方法として、融資や補助金・助成金などがあります。融資は金融機関からの借り入れで、返済が必要なものですが、補助金や助成金は融資とは違い、返済が不要な資金です。補助金・助成金を申請するには、国やその他自治体などの実施機関が定める申請要件を満たした上で申請が必要です。

創業助成金(東京都中小企業振興公社)

創業予定者又は創業から間もない中小企業者等に対して、創業期に必要な経費の一部を助成する制度です。毎年春と秋の2回、募集があります。創業5年未満の方が応募できるので、残念ながら採択されなかった方は、再チャレンジできます。

助成対象者都内での創業を具体的に計画している個人又は創業後5年未満の中小企業者等のうち、 一定の要件を満たす方
助成対象期間交付決定日から6か月以上最長2年
助成対象経費事業費:賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、 専門家指導費 人件費:従業員人件費 委託費:市場調査・分析費
助成限度額400万円(下限100万円)
助成率3分の2以内
URLhttps://startup-station.jp/m2/services/sogyokassei/

包括的支援

S‑Startups 認定制度

渋谷区が展開する「Shibuya Startup Support」の一環として、S‑Startups 認定制度 が設けられています。認定スタートアップには、メンタリング、民間企業との連携、ツール・サービス割引特典などが提供されます。

東京都・国の支援制度

東京都では、都内区市町村の支援事業として、創業・成長支援プログラムがまとめられており、渋谷区もその

融資・資金調達支援

起業において資金調達は不可欠です。渋谷区内・都内での制度融資や 日本政策金融公庫の創業融資 を使うケースが一般的です。創業融資では、自己資金、事業計画書の説得力、創業準備期間などが審査の重要要素となります。また、制度融資を利用する際には信用保証協会を通す仕組みや保証枠拡大を狙う制度もあります。渋谷区で証明書交付を受けておけば、創業関連保証枠の拡大という優遇を受けられる可能性があります。

https://www.city.shibuya.tokyo.jp/jigyosha/shoko-rodo-sodan/sogyo-shien/sogyoshien_shomei.html

その他制度・プログラム

注意点と活用のコツ

  • 支援・助成制度には 申請期間・募集時期 が限定されているものが多いため、最新情報を自治体Webサイト等で確認すること
  • すべての支援制度がすべての事業に適用されるわけではないので、「業種・規模・所在地」などの適格性を確認
  • 複数制度を併用する場合、重複利用の可否や制限に注意
  • 支援申請には、事業計画書、収支計画、必要書類などの作成が不可欠で、専門家支援を受けたほうが成功率が高まる

まとめ

渋谷は賑やかさと先端性を兼ね備えたエリアであり、起業家にとってはブランド力を武器にできる場所でもあります。以下のようなレンタルオフィスや支援制度といった主なポイントを確認しながら、無理や無駄のない計画を立てて起業・創業のスタートを切ってください。

  1. レンタルオフィスの内覧と比較
    – 複数拠点を回り、自分の事業スタイルに合った環境・契約条件を直接確認する
  2. 自治体支援制度の動向を定期チェック
    – 渋谷区公式サイトなどをフォロー
  3. 創業セミナー・支援プログラムへの参加
    – 渋谷区主催の創業講座などに参加し、証明書交付などの要件を満たす
  4. 事業計画書・資金計画のブラッシュアップ
    – 専門家(中小企業診断士、税理士など)や支援機関を活用して内容を強化
  5. 支援制度・補助金・融資の申請
    – 条件を満たす制度を選定し、申請書類を揃えて申請を進める

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